映画「スラムドッグ・ミリオネア」
映画スラムドッグ・ミリオネアの原作本
ぼくと1ルピーの神様
いよいよロサンジェルス時間の明日、アカデミー賞が発表されます。
アメリカのニュース番組によると、街の人々に取材すると「スラムドック・ミリオネア」を支持する多くの回答があると報道されています。
あの映画に出演した子役の二人は、アカデミー授賞式に出席するために生まれて初めて国際線に乗って来るそうです。
日本では4月に放映されるそうです。
ストーリーはこちらの公式サイトから見ていただいて、今日はこの映画をみたマダム・ホーの感想を次にお知らせします。
公式サイトはこちら →
http://slumdog.gyao.jp/
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夫婦で見てきた「スラムドッグ・ミリオネア」はムンバイのスラム街出身者がクイズ番組に挑戦してミリオネアになる物語です。
原作は世界16カ国で翻訳されたベストセラーの映画化です。
原作『ぼくと1ルピーの神様』
こちら ⇒
ぼくと1ルピーの神様
孤児で高等教育を受けていない彼が次々と正解をだすので、イカサマをしていると容疑をかけられます。 そのため、残酷なインド警察の尋問シーンから映画が始まります。
彼がイカサマをしたのではないことは、クイズの質問がでるたびに、彼の過去の経験が描写されていくことでわかります。
この地球上には、アジアで一番豊かな国の日本人には信じられない事実がたくさんあります。
たとえば、世界でもっとも深刻な問題の一つが何か知っていますか?
それは、人身売買です。
主人公の兄弟は、反イスラム暴動で母親を殺され、孤児になりました。
同じ境遇の少女と一緒にストリートチルドレンになりますが、決して美しくない現実の中でたくましく生きていくストーリーです。
この映画を見たとき、1990年代に駐在した新興国での生活を思い出しました。
たとえば、朝夕の渋滞時に車の間をぬって赤ちゃんを抱いた女性が物乞いをします。
車の窓を少し開けて小銭をあげようとした私を、現地人の運転手が止めました。
「マダム、あの赤ん坊はレンタルなのです。お金をあげたかったら、ライ病の人にあげて下さい。ライ病患者はホンモノですから」と運転手から言われたときに、日米とまったく違う世界に来たことを痛感しました。
鼻や指がなくなったライ病患者が物乞いをしなければ生きていけない現状をみました。
また、香港に駐在していた時、国境沿いの街の話を聞きました。
孤児になったストリートチルドレンに物乞いや売春をさせている組織があり、かせぎが悪い子どもを「改造人間」にするそうです。
その話が実際に存在することを、この映画でも知りました。
同情を集めて物乞いで稼がせるために、健康な子どもを「改造人間」にするショッキングな映画のシーンがあります。
地球上にはこのような状態の国が実に多くあります。
しかし悲惨な状態の中で必死に生きている人々がいます。
地獄のような状況下でも、人間としての理性と尊厳を持って生きている人々がいます。
この映画は人生への讃歌をつづった映画でした。
世界という視線で見ると、恵まれすぎている日本人の私達。
私達にできることは、多くの人々によって今の日本が支えられていることに感謝をし、家族や周りの人へ愛情のある言葉をかけることではないでしょうか。
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