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Posted by on 2月 10, 2009 in お気に入り |

映画 「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」を見てきました。

映画 「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」を見てきました。

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ベンジャミン・バトン 数奇な人生

この映画の最初のシーンが非常に印象的でした。

全盲の時計職人のストーリーです。白人の彼には黒人の妻がいて、大切な一人息子は出兵して戦死します。

ある町のシンボル的な大時計を作ることになり、その除幕式にはルーズベルト大統領も出席します。

皆の前に現れた大時計は、秒針が逆方向に回ります。

それについて時計職人はこう答えます。

「時間をもとにもどせることができれば、私の愛する息子や多くの若者たちは戦場で死ななかっただろう」

彼の言葉に大統領始め、除幕式に立ち会った多くの人々が、心うたれます。

このシーンが映画「ベンジャミン・バトンの数奇な人生」のテーマである「時間」、「人生」、そして「無償の愛」を物語っています。

さて、この映画は数奇な運命を背負って生まれたベンジャミンの人生物語です。

ベンジャミンは白人資産家の息子として生まれます。母親は彼を生んだ直後、夫に「息子を守って」と託して亡くなります。

しかし、ベンジャミンのおぞましい姿に仰天した夫はベンジャミンを捨てに行きます。

ベンジャミンが捨てられたのは、黒人が運営する老人ホームの玄関でした。

黒人のクイーニーはベンジャミンの姿に驚くこともなく、彼を引き取り無償の愛を注ぎます。

黒人養母が老人ホームの入居者を前に、ベンジャミンを引き取ることを告げたとき、入居者の白人女性が産着にくるまれたベンジャミンをのぞいて、「あら、夫とそっくりだわ」と言います。

そうなのです。生まれたての赤ちゃんが、80歳の老人の顔をしているのです。

ベンジャミンの人生は時間が逆行します。すなわち、生まれた時は老人。その後、徐々に若返っていき、新生児になって亡くなるという数奇な運命なのです。

老人の顔をしたベンジャミンを見た若い父親は仰天して彼を捨てるのですが、黒人養母や老人ホームの入居者達は、ベンジャミンの外見に動揺することなく、一人の人間として受け入れ、愛情を注ぎます。

このように、人を外見ではなく、一人の人間としてみるということは、私達の人生にとって非常に重要です。

そして、この映画の中で恋人が事故に会うシーンがありますが、ここでは、「すべての出来事は、おこるべきして起こる」という「宿命」と、それに対して自分がどのように対応していくかという「運命(人生の切り開き方)」が語られます。

3時間近い超大作でしたが、見終わった後は「時間を元に戻せないからこそ、今の一瞬、一瞬を大切に生きていこう」と人生に対する希望と愛情が心を満たしてくれる映画でした。

黒人養母を演じた女優さんをはじめ、素晴らしい俳優陣、カメラワーク、編集、ストーリー、特殊メイクなど、どれをとっても超一流でした。

2009 Copyright by Madam Ho.  All rights reserved.

無断で複写、転載は禁じられています。.